火災報知器設置
皆さんのお住まいには、火災報知器が設置されているでしょうか?
戸建や分譲マンションだけでなく、賃貸アパートなどお住まいの種類に関係なく、火災報知器の設置は義務化されております。
札幌市東区で2018年1月31日に起きた、自立支援施設火災は記憶に新しいと思います。
火災報知器は、火事による大切なお住まいを守るだけでなく、そこに暮らす命も守ることが出来ます。
マルコウでは火災報知器について、住環境に合った設置工事を行っております。
住宅用火災警報器が全ての住宅に義務化
住宅用火災警報器を理解する3つのポイント
①全ての一般家庭に取り付けなければなりません。
②取り付ける場所は寝室と階段と台所です。(一家に一台ではありません)
③火災を未然に防ぐためではなく、逃げ遅れて死亡しないための警報器です。
2006年6月1日に改正消防法が施行されました
全ての住宅(一般家庭)に住宅用火災警報器の設置が義務付けられました。新築住宅は2006年(平成18年)6月1日から、既存住宅は市町村条例により定められた日から必ず住宅用火災警報器を取り付けなければなりません。
既存住宅への条例適用日や設置基準等については、社団法人日本火災報知機工業会の「市町村条例別の設置場所一覧」がよくまとまっています。ただし、実際に設置する際はお住まいの市町村の消防本部やホームページ等で確認して下さい。
住宅用火災警報器を取り付ける場所
住宅用火災警報器を取り付ける場所は寝室と階段と台所です。台所(厨房)については、必ず取り付けなければならない(義務)とする市町村と、なるべく取り付けた方がよい(推奨)とする市町村があります。
台所に取り付ける場合は、住宅用火災警報器に湯気(水蒸気)が直接あたる場所(ガスコンロの直近等)は避ける必要があります。
煙感知器は空気中の微細な粒子を検出する方式のため、湯気と煙の区別がつきません。どうしても台所が狭くて湯気が常時滞留する場合は、熱感知式の住宅用火災警報器を使用する方法もあります。熱感知式を設置しようとする場合は市町村条例をよく確認することが大切です。
いずれにしてもワンルーム以外のお住まいでは「一家に一台」では足りません。寝室の数+α必要です。子供部屋のように勉強部屋兼寝室にも必要です。客間のように来客時のみ就寝する部屋には不要です。
それ以外にも設置場所や機種に関する細かな条例がありますので、実際に設置する際はお住まいの市町村のホームページ等で確認して下さい。
住宅用火災警報器と天井・壁からの離隔距離
火災報知機(自動火災報知設備)の規準では感知器は通常天井面にしか取り付けられませんが、住宅用火災警報器は壁面に取り付けてもよいことになっております。
しかし煙や熱は高いところへ昇っていきますから、なるべくなら従来通り天井面に設置することが望ましいのですが、もし壁面に取り付ける場合はできるだけ天井に近い(高い)ところに設置するべきです。
ただ、天井と壁が接する隅の部分は対流の性質上感知しにくくなるので、天井面から15cm以上離して取り付ける必要があります。法令で定められた設置基準は以下の通りです。
●壁面に取り付ける場合は天井から15cm以上50cm以内に取り付ける。
●天井面に取り付ける場合は壁から60cm以上離して取り付ける。
また、北海道でも需要が増えているエアコンが設置されている場合、吹き出し口付近は気流の流れが大きいため感知しにくく、さらに煙感知器の内部に埃などが吹き込まれて故障や誤作動の原因になります。エアコンの吹き出し口からは1.5m以上離して取り付けなければなりません。
※ホームスプリンクラー等上位の消防用設備が設置されている部屋には住宅用火災警報器は不要です。
建物火災の死亡原因の5割以上が「逃げ遅れ」
火災は人命や財産を一瞬にして奪います。これまで我が国の消防法では大規模な建物(デパートやホテル等々)に自動火災報知設備を始めとする消防用設備の設置を義務付けて対応してきました。
しかし、実は建物火災による死者数の9割は、そういった消防用設備が義務づけされていない一般住宅の火災によるものなのです。しかも死者全体の6割は「逃げ遅れ」によるもので、住宅火災による死者の6割が65歳以上の高齢者です。
この事実から「早く火災に気づき避難できるようにすること」が火災による死者数を減らす有効な手だてであると分かります。欧米ではいち早く住宅用火災警報器の義務化を進め、アメリカでは義務化以来21年間で死者数が5割減、イギリスでは13年間で4割減という実績があります。こうしてみると我が国の義務化は遅すぎたともいえるでしょう。
よくお客様より「住宅用火災警報器を取り付ければ火事を防げるのか?」という質問がありますが、答えは「火事は防げません」です。
勿論、早期消火に成功して大火事を防ぐこともあるでしょうが、住宅用火災警報器の役割は前述したように「逃げ遅れ」をなくすことです。特に就寝中は異変に気づくのが遅く、気づいたときには煙を吸い込んでいて身体が動かず、そのまま亡くなるという事態が起こりやすいのです。そのために今回の法改正は寝室を重点的に警戒するものになったのです。
住宅用火災警報器が警報を発したら、何よりもまず避難して下さい。
火災報知器設置の費用について
火災報知器は、どれを設置しても良いというものではありません。法令に基づき、信頼性のある製品の設置が必要です。
その目安になるのは「NSマーク」です。これは第三者機関である日本消防検定協会が鑑定した製品だけに付けられます。
社団法人日本火災報知機工業会のWebサイトには「海外の製品は自国の基準に基づいて作られており、日本の気候や風土が考慮されて居らずひんぱんに誤警報を出す住宅用火災警報器や肝心の火災で働かない心配が有るものが見受けられます。住宅用火災警報器は、日本消防検定協会の検査合格品NSマークの付いたものが安心です。」と書かれています。
海外製品は格安で販売されていることもありますが、我が国内で使用する際には、本当に信頼できるのかどうか、いざ火災が発生した場合、警報が鳴るのか判断する方法がありません。一方、NSマークの付いた製品は本体の電池が約10年間の寿命を持つものが多く、気候風土に合わせた感知方式のみならず信頼性の高い製品が多いです。
製品価格により料金の差異はありますが、おおよそ1か所、3,500円~15,000円程度で設置が可能なため、大きなリフォームとは違い手軽に出来る防御策として、マルコウでも需要の多い設備工事です。
使用環境によっては10年以内に電池交換サインや感度劣化警報が出る場合がありますが、その場合は本体ごと交換する必要があります。
火災報知器設置だけでなく、スプリンクラー設置も可能ですのでご相談ください。